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2018 年度 実施状況報告書

近世中国の「科挙」と「官僚制」に関する史料と西洋知識人の情報源に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03070
研究機関東北大学

研究代表者

大野 晃嗣  東北大学, 文学研究科, 准教授 (50396412)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード明清官僚制度 / 科挙制度 / ヨーロッパ所蔵の漢籍
研究実績の概要

本年度は、ローマ大学(イタリア)、ベネチア大学(イタリア)、ライデン大学(オランダ)、ゲント大学(ベルギー)、ヤギェウォ大学(ポーランド)に赴いた。中でも、ローマ大学においては、イタリア東洋研究学科のLuca Milasi、Davor Antonucci両先生の協力の下、Lodovico Nocentini(1849-1910),Giuliano Bertuccioli(1923-2001)二人の高名な東洋学研究者の蔵書を閲覧、調査することができた。その過程で、同大学の東洋研究学科の中でも知られていなかった、蔵書目録を発見することができたのは、今後に繋がる成果であったといえる。ただし、その内容に関しては、まだまだ私の言語的な能力の問題のために翻訳しきれておらず、継続的に読解を続けたい。また同じくローマ大学のMarco Del Bene先生と相談した際には、より古いヨーロッパにおける漢籍所蔵の状況を知るためには、バチカンと連絡を取る必要があり、それは十分に可能であることを強く示教された。近いうちにローマ大学には再訪する予定であり、事前に、上記ローマ大学の諸教員と連絡をとり、古い漢籍の調査、閲覧に十分な成果を上げられるよう、準備を進めておきたい。また、これらの一方でライデン大学での史料閲覧に関しては、同大学の古典籍管理体制の強化に伴い、外部からの閲覧が急速に困難になった。2013年に行った書庫内調査のようなことは容易ではなくなっており、その際の調査、閲覧内容を確認しきることは、今年度程度の短期滞在では率直に難しかった。一方で、ライデン大学で閲覧した史料の成果を活かして、清朝に訪れたオランダ使節が残した史料について、日本語による翻訳の可能性を模索している。ヨーロッパ知識人が清朝に関する知識を得た材料であることは間違いなく、精力的に取り組みたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全体的な計画に対して、昨年度までの成果を活かす形で行うことができた。また対象となる地域を広げ、各地の所蔵機関においても、先方の諸先生の協力を十分に得ることできており、今後の計画も立案できていることから、特段の問題は生じていない。

今後の研究の推進方策

大きな計画として、三つが上げられる。一つは今年度10月頃に、東ヨーロッパ、取り分けポーランドを中心に史料調査を行う予定である。またその際、リトアニア、ハンガリーなどの研究者とも交流を持つ予定であり、それによって直接的で有益な助言を得られるものと考えている。もう一つは、ローマ大学を中心としたイタリアの所蔵漢籍に関する調査の継続である。この分野に関しては、高田時雄による先駆的かつ緻密な業績があるため、その成果を可能な限り吸収して、幾分なりとも新たな成果を上げたい。三つ目は、清朝に赴いたオランダ使節の記録翻訳に関する準備である。既にライデン大学において一瞥を終えている同資料を整理し、またそれらに関するJ.J.L.Duyvendakの優れた先行研究"THE LAST DUTCH EMBASSY TO THE CHINESE COURT (1794-1795)"があるため、これを読了して備えたい。

次年度使用額が生じた理由

史料の複写費などを要求していたが、いくつかの研究機関においてはその費用の免除を受けた。一方で、それらはすべて各国の研究機関への渡航費、滞在費として利用できるため、問題は生じていない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 一場明朝与豊臣政権間的交渉ー従明朝兵部所発行的”箚付”説起2018

    • 著者名/発表者名
      大野晃嗣
    • 学会等名
      第七届中国古文書学国際学術研討会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 明朝と豊臣政権交渉の一コマ-明朝兵部発給「箚付」が語るもの-2018

    • 著者名/発表者名
      大野晃嗣
    • 学会等名
      明服箚付研究会(第一回)

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公開日: 2019-12-27  

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