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2019 年度 実績報告書

近世中国の「科挙」と「官僚制」に関する史料と西洋知識人の情報源に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03070
研究機関東北大学

研究代表者

大野 晃嗣  東北大学, 文学研究科, 教授 (50396412)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード明清官僚制度 / 科挙制度 / ヨーロッパ所蔵の漢籍 / 近世中国史
研究実績の概要

本年度は、ハイデルベルグ大学(ドイツ)、ヤゲヴォ大学(ポーランド)、ボローニャ大学(イタリア)、フィレンツェ大学(イタリア)に赴き、所蔵される資料の調査を行うことができた。特にハイデルベルグ大学においては、Harald Fuess教授の紹介の下、Enno Giele教授(中国学研究所)とお会いすることができ、有益な情報を得ることができた。また、これまで得たいくつかの成果について、9月にハイデルベルグ、11月にボローニャで発表をすることを認められ、美術史、哲学などをふくむ多くの研究者からのアドバイスを得ることができた。
また、これまでの調査や今年度の発表の機会と助言を通して、ヨーロッパにおける所蔵漢籍を調査しその意義の大きさを考えると同時に、並行して「文物・公文書」の存在とその視覚的意義も理解する必要があると考えるようになった。特に漢字文化圏ではない地域においては、知識人達の中国認識への影響は本来重大であるはずだが、元来は特に美術史家などにこそ着目されてはいたものの、まだまだ中国近世文物の所蔵状況という観点からの基礎研究、またその意義として研究分野はあるという見通しを持った。そのため、まず近世中国国家の公文書などが最も影響力を持った近世日本を一つの事例として、上杉神社に残る明朝箚付を材料に、これが日本に与えた影響を論文化した。そこで明らかにした、近世中国王朝から発給された公文書の改作やそれを自己の権力の一つのよりどころとする発想は、アジア的なものと見なしてよいかどうかを含めて、今後の研究の土台となるものと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 明朝と豊臣政権交渉の一齣-明朝兵部発給「箚付」が語るもの-2019

    • 著者名/発表者名
      大野晃嗣
    • 雑誌名

      東洋史研究

      巻: 78-2 ページ: 129-157

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本現存明朝公文書に関する研究 ―「箚付」を中心に―2020

    • 著者名/発表者名
      大野晃嗣
    • 学会等名
      第8回日本学国際研究クラスター
  • [学会発表] Counting Claws: The Evolving Image of Early Modern Chinese Dragons in Clothing, Porcelain, and Festival2019

    • 著者名/発表者名
      大野晃嗣
    • 学会等名
      Images Philosophy Communication Hasekura League Symposium
    • 国際学会
  • [学会発表] The design of dragons and its spread in early modern China: Clothing, porcelain, and the Gion Festival2019

    • 著者名/発表者名
      大野晃嗣
    • 学会等名
      HeKKSaGOn Working Group Three
    • 国際学会
  • [学会発表] 日本現存明朝兵部發給「箚付」について ―現状と課題―2019

    • 著者名/発表者名
      大野晃嗣
    • 学会等名
      明服箚付研究会(第二回)

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公開日: 2021-01-27  

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