第一に、上博簡・清華簡のうち、春秋~戦国前期の楚に関わる「成王為城濮之行」「荘王既成」「申公臣霊王」「霊王遂申」「陳公治兵」「平王問鄭寿」「平王与王子木」「昭王毀室」「君人者何必安哉」「命」「柬大王泊旱」、その他の諸国に関わる「鄭武夫人規孺子」「曹沫之陳」「競建内之/鮑叔牙与隰朋之諫」「鄭文公問太伯」「子儀」「子犯子余」「晋文公入於晋」「鄭子家喪」「姑成家父」「競公瘧」「趙簡子」「越公其事」「呉命」について先行研究を批判的に整理した注釈を作成した。『左伝』『国語』との比較分析を進行中であり、前4~前3世紀における春秋史認識の展開を解明しつつある。第二に、「『左伝』と鄭」(『中国史学』28、63-81頁、2018年10月)・「経伝長暦考」(『京都大学文学部研究紀要』58、35-142頁、2019年3月)を公刊し、「『史記』の秦史認識」(第63回国際東方学者会議東京会議:シンポジウムⅡ「秦帝国の誕生:英語圏の研究者との対話」、2018年5月18日)・「前4世紀中国における歴史認識の変容:時代区分としての「春秋時代」の出現」(史学研究会大会、2018年11月2日)・「中国先秦史研究の現況:『左伝』とその周辺」(京都大学文学研究科公開シンポジウム「京大古代学の最前線:古代への誘い」、2018年12月8日予定)の講演を行った。第三に研究成果報告書を作成した。報告書の目次は以下の如くである。「周室東遷再考」「中国先秦史研究の現況:『左伝』とその周辺」「『左伝』と鄭」「経伝長暦考」「『左伝』『国語』の歳星記事」「前4世紀中国における歴史認識の変容:時代区分としての「春秋時代」の出現」「「春秋時代」の出現」 「睡虎地秦簡年代考:日本における中国古代史研究の現状に寄せて」 「The Shih-chi’s Perception of Ch‘in History」「『漢書』古今人表と春秋史」。
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