研究課題/領域番号 |
16K03082
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池田 一人 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (40708202)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ミャンマー / ビルマ / カレン / 民族問題 / 民族 / 歴史観 |
研究成果の概要 |
多民族/他宗教社会ミャンマーの存立基盤を問う民族問題についてカレンを事例とし、第一に民族生成と民族問題化の過程解明、第二に民族生成と民族問題化における宗教機制の関わりの解明を研究目的とした。第一の点については、カレン民族問題が実はビルマ民族主義運動との間で発生し膠着化した問題であり、英植民地政府の政策にその原因を帰するのはビルマ民族主義運動の言説操作があったことを実証した。第二の点については、仏教徒ポーカレンの東ポー文字の普及・使用過程とヤンゴンのスゴーカレン僧院の設立過程を明らかにした。
|
自由記述の分野 |
ビルマ史、ビルマ地域研究
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の特色は、ミャンマーにおける民族とその政治問題化の機制を明らかにしたことにある。学術的には第一に、ミャンマーの代表的民族問題であるカレン問題の起源と史的構造に関して通説の明確な否定と説得的な歴史過程が提示された。第二に、ミャンマー史における民族という単位の歴史性が指摘され、したがって民族を当然の単位としたミャンマー通史叙述への批判という結果も期待できる。通説に対する批判がほぼ皆無の現況からして、本研究は他に類例のない革新的な研究であると自負したいが、社会的・国際的な認知を得るまでは地道な唱道活動が必要となろう。
|