研究課題/領域番号 |
16K03088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アジア史・アフリカ史
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
荒武 達朗 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (60314829)
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研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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キーワード | 華北 / 山東 / 伝統中国 / 国共内戦 / 日中戦争 / 地域社会 / 革命 |
研究成果の概要 |
本科研のテーマは、19世紀半ばから20世紀半ばにかけての動乱と戦争、革命を経て、中国の地域社会がどのような変動を経験したかを研究するものである。舞台となる山東省南部では、おそらく17世紀前半頃に宗族という社会集団が形作られていった。彼らは相互に結びついて有力者層を形成していった。 彼らは伝統中国の地域社会のリーダーであるが、中国共産党の地方支配の障害となる存在であった。それ故、特に1946年から49年にかけての内戦期に、彼らは徹底的な弾圧を受けて社会から消滅していったのである。本研究によって社会の基層における革命の姿が明らかとなった。
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自由記述の分野 |
中国近現代史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日中戦争後の国共内戦期は中国建国の直前という重要な時期であるにもかかわらず、研究は低調であった。一般に共産党の勝利は抗日戦争への貢献という枠組みで語られることが多いが、中国人同士の内戦という性格の下では、そのモデルに依拠することはできない。現在の中国の成り立ちを考える上でも重要な意味を持ち、学界への貢献に加え市民の対中理解を促進する意味がある。 また本研究課題は内戦期のみを取り出すものではなく、伝統社会から中国へと到る一連のプロセスを重視しているという特徴を有する。その中で地域社会の人びとの視点から中国を準備した内戦期の歴史的意義を解明し、断代史的な理解を超えるという特徴を具える。
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