1812年戦争を題材にアメリカ史とカナダ史両方の研究史を学び、北米大陸史を構想することをめざした。実証作業として、マイケル・スミス『アッパーカナダ植民地地理概観』(計6版、1813年~1816年)について掘り下げた。同書はアメリカ人にカナダへの移住を促す目的で著された地理書で、カナダ史の重要資料である。 だが加筆が目立つ同書第4版について、その読者と目されるヴァージニア州のバプティスト社会を調べる必要が判明し、同州の地域史文献と資料を入手する間に期限を迎えた。今後もスミスの地理書に関する調査を行うとともに、一定量の文献を読破した初期カナダ史について、研究動向を踏まえて研究を継続する。
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