研究課題/領域番号 |
16K03111
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小山 哲 京都大学, 文学研究科, 教授 (80215425)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ポーランド / 文学研究所 / クルトゥラ / ギェドロイツ / メディア史 |
研究実績の概要 |
当該年度は、4月25日に、ソウルの西岸大学校(Sogang University)で開催されたセミナーで、"Vicissitudes of the "Noble Republicanism" in contemporary Poland"と題してレクチャーを行なった。近世の貴族共和政の記憶が、現代のポーランドにおいて、どのように(再)構築・(再)創造されているかを考察した。パリの文学研究所と『クルトゥラ』は、独自の立場からそのような(再)構築・(再)創造を行なってきた重要な拠点の1つである。韓国では、近年、「共和政」の理念とあり方をめぐって活発な議論が展開されており、セミナーでは、そのような背景をふまえて、ポーランドと韓国の状況、また、ヨーロッパと東アジアの状況を比較する観点から、活発な議論が行なわれた。 その後、5月末に研究代表者に病変が見つかり、6月から年度末まで治療のために休職せざるをえなくなった。この間、研究活動を中止せざるをえず、研究実施計画を2020年度に延長する申請を行なった。現在、2019年度中に予定されていた研究活動を再開し、研究動向論文の執筆に向けて準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者の健康状態が悪化したため、2019年6月から2020年3月末まで休職しており、その間、研究活動も中止せざるをえなかった。研究実施計画の1年延長を申請し、受諾されたため、遅延している研究動向論文の執筆と、『クルトゥラ』の編集にかかわる書簡の分析・翻訳を、2020年度に進める予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
上記の進捗状況について述べた理由から遅延している研究の実施を進めたい。具体的には、(1)文学研究所と『クルトゥラ』にかんする研究動向を論文にまとめ、公表する。(2)『クルトゥラ』編集長イェジ・ギェドロイツと執筆者ヤヌシュ・モンドリィが交わした往復書簡の分析と翻訳を進める。この両者の未公刊の書簡は、ポーランド本国における「連帯」の運動と日本とのかかわりに触れており、日本・ポーランド関係史の史料としても貴重なものであると考えている。 なお、新型コロナウィルス流行の影響で、ポーランドからの書籍の輸入がストップしている(5月現在の状況)。海外での研究調査も困難で、研究の実施に制約があるが、すでに収集した資料とインターネット上で公開されている情報を活用しながら研究を進めていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の健康状態の悪化のため、2019年6月より2020年3月末まで休職しており、この間、予定していた研究活動も中止せざるをえなかったため、次年度使用額が発生した。2019年度に実施できなかった研究活動を2020年度に再開・継続して実施する予定であり、次年度使用額はそのために使用する。
|