研究課題
基盤研究(C)
中世後期の独仏間地域に形成されたブルゴーニュ公国は、約一世紀に及んで栄華を誇り、この移動宮廷は当時の国際舞台のなかで傑出した存在感と影響力を示すとともに、その後のヨーロッパ諸国における宮廷文化の基礎を築いた。本研究では、主にフランス、ベルギー、オランダの各国各地に分散するこの宮廷の痕跡を、文献・図像資料、現存遺構、考古学遺跡等から具に追跡し、同宮廷の在地社会とのかかわりや国際交流の諸相を体系的に明らかにした。
人文学
ブルゴーニュ宮廷の空間とそこでの日常について、古今における現地の様子を伝える図像・画像等を交えた総合的な書物は未だ著されておらず、現在の独仏間各地で個別分散的に取り組まれているに過ぎない。それらを歴史学・美術史・考古学等の知見を駆使して、国際色豊かな学際的成果として提示すること、また、今盛んな文化財保護やツーリズムの成果をも汲み取って確かな研究成果を一般の人々にも向けて発信することに学術的かつ社会的意義がある。