研究課題/領域番号 |
16K03127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
森谷 公俊 帝京大学, 文学部, 教授 (60183662)
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研究協力者 |
鈴木 革
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 古代ギリシア史 / アレクサンドロス大王 / 古代マケドニア王国 / 古代インド / 古代ソグディアナ |
研究成果の概要 |
紀元前329年から326年までのアレクサンドロス大王遠征路の実地調査を行った。ウズベキスタン(古代ソグディアナ)では、アムダリヤ川の渡河点および正妃ロクサネの故郷とされるクズルテパ遺跡を調査した。最大の課題は地元住民が立てこもった3つの岩砦の特定であったが、現地の状況により登山は不可能で、完全な実証には至らなかった。 パキスタン(古代インド)では北西辺境州において、スワート地方の住民が立てこもったピールサル(古代アオルノス)へ2度の日帰り登山を行い、現場を精査して戦闘状況を復元できた。またインダス川下りの行程を可能な限りたどった。大王の遠征地域がいかに豊かな多様性を持っていたかが認識できた。
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自由記述の分野 |
西洋史学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古代ソグディアナはアレクサンドロス遠征路の中で最も未解明の部分が多い地域だが、現在はウズベキスタンとフランスの共同研究が進み、現地調査にもとづく古典史料の再解釈が試みられている。その成果と現地の状況をじかに知ることで多くの示唆が得られた。パキスタンのスワート地域での調査は、ハザラ大学との共同研究で大きな成果が得られた。特にピールサルの学術登山は1920年代のスタイン以来約90年ぶりで、戦闘経過を正確に復元できた。インダス流域の調査は限定的だったが、マッロイ人との戦闘地域ではタランバの遺跡を再発見した。大王の遠征地域の豊かな多様性を知ることは、グローバル時代を乗り越える視点を提供してくれる。
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