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2019 年度 実績報告書

デンマーク領西インド諸島における自由黒人の果たした歴史的役割について

研究課題

研究課題/領域番号 16K03129
研究機関東海大学

研究代表者

佐保 吉一  東海大学, 文化社会学部, 教授 (00265109)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードデンマーク領西インド諸島 / セント・クロイ島 / フリーカラード / 自由黒人 / クリスチャンステッズ / フリーガット / ピーター・フォン・ショルテン / カリブ海
研究実績の概要

本研究プロジェクトの目的は、デンマーク領西インド諸島(現米領ヴァージン諸島)において、自由黒人が歴史的にいかなる役割を果たしてきたのかを考究することである。その中で本研究最終年度における研究の中心は、これまでの研究の不十分な部分の補完と全体の整理・総括であった。補完部分では特にフリーカラード居住区における特定の住居の所有者及び居住者の変遷調査を中心に据えた。
フリーカラードは1747年の規則で定められて以来、街の中心部からは少し離れた特定場所に居住した。それらはガットGutt と呼ばれ、主に聖クロイース島のクリスチャンステッズに設置された。クリスチャンステッズの場合は政庁や商店など政治経済的に重要な場所を取り囲むように設置された。またガットは丘陵地帯の上方に位置しており、街を取り囲んで一種の緩衝地帯になっている(分離居住)。
2018年の現地調査の際、現在クリスチャンスステッズのイースト通り18番Bにスタジオを構える芸術家La Vaghn Belle氏より、同番地の家屋の歴史に関する資料を入手した。それを一覧表にして確認した結果は以下の通りである。①フリーガットには黒人奴隷(おそらく家内奴隷)も居住していること、②所有者は通常フリーカラードであるが、白人もいること、③居住者は常に複数おり、女性が主であること、④所有権が、母→息子 父→娘と移る場合があること、⑤白人の奴隷所有者(男子)が黒人奴隷女子と関係して出生した子供に住居を遺贈したこと。
特定住居における所有者・居住者の変遷について、今回は一例だけしか考察できなかったが、今後は同様のデータを数多く収集し、共通する傾向を見いだす必要がある
全体として、本研究の結果、フリーカラードがデンマーク領西インドでは歴史上一定の重要な役割を果たしたことが明らかになった。今後は他国植民地と比較することでその特徴がより浮かび上がるだろう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 旧デンマーク領西インド諸島におけるフリーカラードについて2020

    • 著者名/発表者名
      佐保吉一
    • 学会等名
      海の研究会(関西学院大学文学部田中きく代教授主催)

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公開日: 2021-01-27  

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