研究課題/領域番号 |
16K03136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鈴木 健夫 早稲田大学, 政治経済学術院, 名誉教授 (30063746)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 難民 / ロシアドイツ人 / ハルビン / マイノリティ / 移住 |
研究成果の概要 |
18世紀末以降にロシアに大量に移住したドイツ人移民は帝政末期のロシア化政策、第一次世界大戦、社会主義革命、内戦、飢饉のなかで多くの人びとが国外に移住したが、その後、農業集団化・反宗教政策に抗してかなりの数が西回りで南北アメリカに、また不法に国境を越えてハルビンに逃げた。 本研究は、そうしたハルビンのロシアドイツ人難民の前史とハルビンでの状況および彼らの南北アメリカへの再移住について調査し、その成果は、第一次世界大戦、内戦、中国東北部、南米への再移住、アメリカ移住に関連した論文等を通して公表、2019年秋にはロシアドイツ人の歴史に関する単著『ヴォルガに鳴り響く弔鐘』(亜紀書房)を出版する。
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自由記述の分野 |
ロシア史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ロシア帝国・ソ連において少数民族(マイノリティ)であったドイツ人移民は、圧制、世界大戦、内戦、大飢饉・飢餓という国内外の政治的・経済的・行政的な歴史的激動のなかで、移動を強いられ、苛酷な運命に遭遇した。本研究で解明した「ハルビン難民」の前史、ハルビンでの状況および彼らの南北アメリカへの再移住の歴史は彼らの苛酷な歴史を象徴的に表象している。今日の世界では難民問題は各国の政治経済の、そして国際世界の動向を左右する最重要問題となっており、ロシアドイツ人の「ハルビン難民」の歴史的経験は、「難民」にたいしてどのように対応すべきか等々の現代的課題にたいして、貴重な歴史的メッセージを発している。
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