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2019 年度 実績報告書

中期ビザンツ帝国における地方統治制度の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03146
研究機関関西学院大学

研究代表者

中谷 功治  関西学院大学, 文学部, 教授 (30217749)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードテマ制 / ニケフォロス1世 / 地方行政 / 『テマについて』 / タクティコン
研究実績の概要

今年度は計画どおり,これまでの研究の総括を行った。その主な点は2020年5月にされた拙稿「テマ制度に関する覚書」(『人文論究』70巻1号)に掲載された。要点をまとめると以下のようになる。
「はじめに」において,21世紀に入って新たな展開を見せているテマ制をめぐる研究動向を総括し,第1章「テマとテマ制」ではテマの意味の変化とテマ制の起源をめぐる議論をまとめた。第2章では,10世紀の文人皇帝コンスタンティノス7世が編纂した『テマについて』の翻訳を紹介しつつ,この当時におけるテマの意味の明確化につとめた。第3章では Constantin Zuckerman による資料に厳密な問題提起をふまえ,9世紀の史料「ウスペンスキーのタクティコン」から判明するテマの制度の整備状況を確認した。さらに第4章「自生的テマ論」では,井上浩一氏が提起したこの視点を紹介し,テマ制を考察するうえでの視角の独自性を確保したうえで,第5章「9世紀における地方行政」において本課題の中心テーマについてまとめた。とりわけ,複数の官職表(タクティコン)を活用しながら時代ごとの地方行政制度の整備過程をあとづけ,いわゆる「テマの改革」の実態を明確化した。「おわりに」では,以上の考察をうけて,7世紀以降のビザンツ帝国の地方における軍事と行政の展開について,推測を交えつつまとめた。
なお,2020年6月に刊行予定の単著『ビザンツ帝国 千年の興亡と皇帝たち』(中公新書,脱稿済)においては,その第1章で転換期となる7世紀の概説(本課題の前提),第2章では時代背景となるイコノクラスム期のビザンツ社会,そして第3章の「改革者皇帝ニケフォロス1世とブルガリア」において,本課題の主要テーマの概要を含めて議論し,申請者の考えをまとめた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] テマ制度に関する覚書2020

    • 著者名/発表者名
      中谷功治
    • 雑誌名

      人文論究

      巻: 70-1 ページ: 77-101

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公開日: 2021-01-27  

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