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2018 年度 実績報告書

伊豆半島の前期古墳と東日本太平洋岸域の拠点形成に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03151
研究機関筑波大学

研究代表者

滝沢 誠  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (90222091)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード伊豆半島 / 前期古墳 / 前方後円墳 / 太平洋岸 / 交通路
研究実績の概要

本研究は、伊豆半島の前期古墳に関する基礎研究を推進するとともに、それらの造営を可能にした在地社会の動向を分析し、半島基部に形成された古墳時代前期の政治的拠点と東日本太平洋岸域における広域的なネットワークとのかかわりを明らかにすることを目的としたものである。最終年度となる本年度は、昨年度につづき静岡県函南町瓢箪山古墳の発掘調査を実施するとともに、本研究の全体的な成果をとりまとめた研究成果報告書を作成した。
瓢箪山古墳の発掘調査では、昨年度の調査で明らかとなった墳丘の形態や規模をさらに詳細に把握することを目的として、計3地点でトレンチ調査を実施した。また、初年度に実施した地中レーダー探査の結果をふまえ、埋葬施設の位置や範囲を確認するために、後円部頂でトレンチ調査を実施した。調査の結果、墳丘のトレンチでは、墳丘の規模や構造に関する有益な情報を得ることができた。一方、後円部頂のトレンチでは、埋葬施設に関係するとみられる遺構の一部を確認したものの、埋葬施設の位置や規模を確定するには至らなかった。
本研究では、3年間の研究期間をつうじて、伊豆半島の基部に位置する前期前方後円墳の実態について重要な新知見を得ることができた。とくに、あらたに確認された瓢箪山古墳が半島の基部を横断する陸路の基点に位置し、そのルートからの側面観を意識した非対称の墳丘構造をもつことが判明した点は、半島横断路を組み込んだ東日本太平洋岸域のネットワーク形成とその役割を考える上できわめて重要な成果であった。また、伊豆半島北部における弥生・古墳時代集落の動態について検討した結果、瓢箪山古墳が築かれたとみられる古墳時代前期後半には、同古墳の周辺で集落規模が拡大している状況や外部地域との交流が活性化している状況が把握された。これらの点も、当該期になって半島基部の交通上の役割が高まったことを示すものとして重要な成果であった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 霞ヶ浦沿岸とその周辺の前期古墳2018

    • 著者名/発表者名
      滝沢 誠
    • 雑誌名

      野本将軍塚古墳と東国の前期古墳 早稲田大学東アジア都城・シルクロード考古学研究所研究論集

      巻: 第1冊 ページ: 157-170

    • オープンアクセス
  • [図書] 伊豆瓢箪山古墳の研究 平成28~30年度科学研究費・基盤研究(C)伊豆半島の前期古墳と東日本太平洋岸域の拠点形成に関する基礎的研究・研究成果報告2019

    • 著者名/発表者名
      滝沢 誠、渡井英誉、笹原芳郎、佐藤祐樹、辰巳祐樹、山下優介、河嶋優輝、荒井啓汰、山内花緒、柴原総一郎、浅野孝利、井田深月
    • 総ページ数
      102
    • 出版者
      筑波大学人文社会科学研究科歴史・人類学専攻

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公開日: 2019-12-27  

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