研究実績の概要 |
本研究は、①遺跡活用に関する先行研究の整理、②考古系文化財の取り扱いならびに土地利用に関するイタリアの現行法およびカンパニア州条例の解明、③ソンマ・ヴェスヴィアーナの地域社会との関係においての「アウグストゥスの別荘」遺跡の発掘調査の現状と社会的課題の解明、④同遺跡のステークホルダーの特定と分析、⑤同遺跡とソンマ・ヴェスヴィアーナの住民との関係の分析、⑥カンパニア州における考古遺産の活用状況の分析、から成る。最終年度にあたる2019年度は、①から⑥にわたるすべての作業成果のとりまとめを行った。また②については、今日のイタリア文化遺産行政の法的根拠となる「文化財と景観財の法典(Codice dei beni culturali e del paesaggio)の中から考古系文化財の保護に関わる部分の要約を作成した。④と⑤については、面接調査ならびに質問調査で収集したデータをすべてデジタル化した上で、将来的にも参照可能なようにアーカイブ化した。
成果発信としては、Matsuda, A. 2019. 'A Consideration of Public Archaeology Theories', Public Archaeology: Theoretical Approaches and Current Practices', London: British Institute at Ankara, pp.13-19.として公刊した。また、学術雑誌『Amoenitas』第8号に掲載するための英語論文「Public archaeology at the so-called “Villa of Augustus” in Somma Vesuviana」を執筆した(約7100語)。出版決定済みで、2020年9-10月に出版予定。
|