日本の城郭の特徴は石垣である。従来の研究では1576年に織田信長が築いた安土城が最初と言われていた。しかし近年の発掘調査では16世紀初頭の石垣が確認されている。その構築技術は附近に存在した寺院の持つ造営技術を援用したものであることを突き止めた。 そうした石垣の特徴は石垣の背面に栗石と呼ばれる裏込めの石を充填し、積み方としては垂直に積んでいる。また、石材を確保するために、石に小孔を施して叩き割る矢穴技法も寺院からの導入である。矢穴技法によって短時間に多くの石材が確保できるようになった。このように戦国時代の石垣構築技術が、今見られる日本の城の石垣へと発展することを明らかにできた。
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