研究課題/領域番号 |
16K03166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
遠藤 英子 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員 (60766947)
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研究分担者 |
那須 浩郎 岡山理科大学, 生物地球学部, 准教授 (60390704)
山田 昌功 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員 (00620387)
國木田 大 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任助教 (00549561)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ウクライナ / 栽培穀物 / キビ / 農耕の受容 / ユーラシア農耕拡散 / 新石器化 / 土器圧痕 / レプリカ法 |
研究成果の概要 |
黒海北側に位置するウクライナは、ユーラシア農耕拡散の結節点であるが、確実な考古植物資料が限定的である。本研究では種子同定精度が高いレプリカ法を用いて栽培穀物データを蓄積した。 成果として、1.新石器時代資料からは栽培穀物は同定されず、定説である6000年紀を遡る農耕開始は再検討が必要な事。2.金石併用時代には西アジア起源のムギ類の栽培が導入されているが、既報告のキビは本調査では同定されず、再検討が必要である事。3.これまで確実なキビの出現期とされてきたUsatovo文化を含めて、金石併用時代末から青銅器時代中期の遺跡でもキビは検出されず、青銅器時代後期に突如キビが出現する、等を明らかとした。
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自由記述の分野 |
植物考古学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでユーラシアの農耕拡散は、西アジアでの穀物栽培化と各地への拡散という枠組みで議論されてきたが、近年は東アジアでのイネや雑穀の栽培化も明らかとなり、東西を行き交うより複雑な動きとして検討されている。ただしユーラシアはあまりにも広大なため多くの穀物データ空白地域が残され、面的な理解が難しい。本研究では、農耕拡散の鍵を握る重要なキーポイントでありながら、確実なデータに恵まれないウクライナをフィールドとして、日本で開発された土器圧痕同定法であるレプリカ法を用いて確実な栽培穀物データを蓄積した。特に青銅器時代後期のキビの検出は、ヨーロッパへのキビの拡散時期と経路を検討する重要なデータである。
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