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2019 年度 研究成果報告書

専業化からみた古代エジプト国家形成期社会の複雑化の研究

研究課題

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研究課題/領域番号 16K03167
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 考古学
研究機関早稲田大学

研究代表者

馬場 匡浩  早稲田大学, 総合研究機構, 客員主任研究員 (00386583)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードエジプト考古学 / 古代文明学 / 国家形成 / 社会複雑化 / 専業化 / 古代ビール
研究成果の概要

本研究は、専業化の視点から古代エジプト国家形成期の複雑化社会を考究することを目的とする。専業化の研究は、資料不足により十分な議論がされていなかった。しかし、ヒエラコンポリス遺跡の発掘調査により、具体的な研究を可能とするビール醸造址と肉・魚の加工処理施設が発見された。そこで本研究では、これら生産遺構の具体的な内容を明らかにし、これらをもとに専業化を総合的に考察することを目的とした。結果、集約的な大量生産と専業度の高い生産体制が看取され、エリートに付属する従属専業であったことが想定された。さらにビール壺の規格化分析を通じて、専業生産の出現と展開を国家形成の脈略で解釈することを試みた。

自由記述の分野

エジプト考古学

研究成果の学術的意義や社会的意義

エジプト先王朝時代における専業化は、これまでも研究の対象となってきた。ただし、実証的な分析は行われていない。主に、製品から看取される技術の熟練度や手間と時間を指標に推察しているのみである。この点において、生産遺構の発掘調査資料に立脚した本研究は、考古学的コンテキストから専業度、規模、地理的関係、生産者と消費者の関係という専業化指標の帰納的分析、生産形態と社会状況の考察を具体的に行った最初の例といえる。また、エジプト最古のビール醸造に関して、理化学的分析によるビールの同定とレシピを解明できたことは、ビールが現在でも愛飲されていることからも、本研究の社会的意義は小さくないであろう。

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公開日: 2021-02-19  

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