| 研究課題/領域番号 |
16K03178
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| 研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
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研究代表者 |
清野 孝之 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (00290932)
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| 研究分担者 |
降幡 順子 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部保存科学室, 室長 (60372182)
山本 亮 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 研究員 (30770193) [辞退]
道上 祥武 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, アソシエイトフェロー (10827330)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 瓦胎土分析 / 古代瓦 / 飛鳥・藤原地域 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、飛鳥・藤原地域出土の古代瓦、およびそれらを供給した瓦窯出土の古代瓦を対象に、胎土の理化学的分析と製作技法の考古学的分析を実施し、瓦の生産・供給体制を考察するものである。特に、７世紀末の日本初の瓦葺き宮殿である藤原宮の造営は、古代における瓦生産・供給の画期とされている。そのため、藤原宮出土軒瓦、およびその生産地とされている瓦窯や、生産地推定の手がかりとされてきた遺跡から出土した軒瓦を主な分析対象とし、研究を行った。
これまで、藤原宮出土軒瓦については、製作技法や胎土の肉眼観察などの精緻な分析結果から出土瓦をいくつかのグループに分け、瓦窯出土品との同笵関係を踏まえて生産地を推定していくという方法により、大きな成果を上げてきた。ところが、瓦胎土の肉眼観察による従来の分析手法には、観察者の属人的能力に頼る部分が大きく、限界があった。そこで、本研究では、胎土の粘土部分には蛍光Ｘ線分析を、粗粒の鉱物・岩石部分には岩石記載学的方法を適用し、そのクロスチェックによって産地推定の信頼性を高める理化学的な胎土分析方法を採用し、軒瓦の同笵認定と製作技法の比較検討という考古学的な手法と合わせて検討を行った。
4カ年の研究期間中、藤原宮出土軒瓦とその生産地とされる瓦窯や関連寺院、計17遺跡から出土した軒瓦等の分析を実施し、最終年度には36型式・種、107点のサンプルについて成果報告を取りまとめ刊行した。その結果は、従来の肉眼による胎土分析と考古学的分析による産地推定を追認する内容が多いが、新たな産地が判明したもの、これまで知られてきた産地以外に複数の産地が存在する可能性を指摘したもの、さらに細かく産地が分かれる可能性を指摘したものなど、いくつかの新たな成果を得ることができた。
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