研究課題/領域番号 |
16K03180
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 九州歴史資料館 |
研究代表者 |
岡寺 良 九州歴史資料館, 文化財調査室, 研究員(移行) (70543693)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 山岳霊場・信仰遺跡 / 普智山等覚寺 / 彦山信仰 / 山岳信仰 / 修験 / 三次元モデル作成 / ドローン撮影 |
研究成果の概要 |
山岳信仰の霊地として知られる英彦山には、「彦山六峰」といって、旧豊前国内に英彦山の祭式を共有する6つの修験集団があり、英彦山と共に豊前の修験文化を特色づける存在となっている。本研究では、松会と呼ばれる修験行事が未だに残る普智山等覚寺(福岡県京都郡苅田町)をフィールドとし、その山岳信仰の実態を解明するため、考古学的な現地踏査を実施した。具体的には、等覚寺の古文書に記される「宿」の一つ一つを、山岳信仰の観点から現地を踏査・測量・ドローン撮影、さらには三次元モデル作成を通じて明らかにした。それらの成果を総合することで、等覚寺の山岳信仰の実態、ひいては彦山信仰の実態の一端を明らかにすることができた。
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自由記述の分野 |
考古学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
英彦山の山岳信仰に関する研究は、英彦山そのものを研究素材として多くの研究がなされてきた。しかし英彦山は非常に広大な山岳霊場・信仰遺跡でその全容を解明することは難しい。また英彦山そのものの研究だけでは英彦山の山岳信仰を解明することは困難であり、本研究では英彦山の修験の峰入りにも深くかかわる彦山六峰のうち、等覚寺をフィールドとして現地遺跡の調査研究を実施し広大に広がる霊域の存在を明らかにした。 高度に科学が発達した現代でも山の災害が多い日本では、人々の暮らしは山とのつながり抜きで考えることは難しい。山岳信仰の歴史の解明は現代社会を生きる我々にその歩むべき道筋を与える一助となるものであるといえよう。
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