第一に,全ての商業用原子力発電所の立地地域について現地調査を行い,立地運動から現在に至るまでの行財政・経済・社会・政治についての比較検討を行った.その結果,原子力発電所の建設・稼働・原価償却の進行による市町村財政および地域経済の動きと,地域社会・政治の変質過程との関係に関する法則性を見いだすことができた. 第二に,福島第一原発事故後の周辺地域の動態に関する調査を実施した.これらの地域では,避難指示解除後も復興のための建設業が地域経済そして人口を維持する上で中心的な役割を果たしている.その背景として,工事箇所の業者が公共事業を請け負う,という「なわばり」的な原理が貫徹されたことが挙げられる.
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