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2018 年度 実績報告書

地方中小都市における中心市街地居住の課題と持続可能な生活環境の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K03191
研究機関鳥取大学

研究代表者

山下 博樹  鳥取大学, 地域学部, 教授 (00314568)

研究分担者 藤井 正  鳥取大学, 地域学部, 教授 (20165335)
戸所 隆  高崎経済大学, 地域科学研究所, 名誉教授 (80066745)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードまちなか居住 / 地方都市 / 生活環境 / コンパクトなまちづくり
研究実績の概要

平成30年度の研究実績の概要は、次の通りである。
地方都市のまちなか居住の実態・課題を引き続き把握するため、近年中心市街地へのタワーマンションなど集合住宅の立地が進展した岡山市の状況を現地調査した。岡山市では、経営統合したメガバンク支店の跡地が、タワーマンションに再開発された事例をはじめ、中心市街地での集合住宅の増加が進展した。その背景には買い物先、教育施設など生活関連施設が空洞化しておらず、高い生活利便性が維持されていることがあげられた。他方で、金融機関の跡地が居住地となるなど、中心市街地の都心性の高い地区での土地利用変化により、中心市街地における都心的地区の空間的縮小を招いた。このことは、岡山市の経済発展に照らした場合、長期的には大きな課題とも成り得る。
過去2年間の地方都市での調査結果の特徴をより明らかにするため、東京区部におけるまちなか居住の実態・課題についても、中央区、江東区、練馬区を対象に現地調査を実施した。さらに、海外のまちなか居住の成功事例とも言える、カナダ・バンクーバー都市圏と、フランス・グルノーブル市においても現地調査を実施した。バンクーバー都市圏では、これまでバンクーバー都心部でのコンパクトで高密度な都心居住の実現が報告されていたが、近年は郊外の駅前などに多機能で高密度な駅前再開発が進展し、コンパクトなまちづくりの進展が顕著であることが現地で確認できた。これは都市圏整備計画による政策の成果であるが、他方で国の人口増加策により郊外の戸建て宅地開発が再活性化し、交通利便性の比較的低い地域にも人口集積が進展していることは課題として確認された。グルノーブル市は古くからまちなか居住を実現していたが、近年の公共交通網の拡充により、郊外での宅地開発が進行した影響などで、旧市街地の一部で衰退化が確認されるなど、新たな課題が生じていることを明らかにできた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 高層マンション集積地における継続居住に必要な土地利用政策2018

    • 著者名/発表者名
      戸所 隆
    • 雑誌名

      産業研究

      巻: 53 ページ: 154 - 163

    • DOI

      10.20635/00000882

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 中島飛行機(スバル)創業者の文化・経済遺産を活かした集落づくり-群馬県太田市押切地区-2019

    • 著者名/発表者名
      戸所 隆
    • 学会等名
      2019年度日本地域政策学会・全国大会 都市分科会
  • [学会発表] 人口減少下における新築住宅の増加による居住構造変化と地域間格差の増大2018

    • 著者名/発表者名
      戸所 隆
    • 学会等名
      2018年度日本地域政策学会・全国大会 都市分科会
  • [学会発表] 地方都市におけるまちなか居住推進の課題と対策2018

    • 著者名/発表者名
      山下 博樹
    • 学会等名
      大方潤一郎 (東京大学 都市工学専攻 教授) 定年記念 連続セミナー「熟成期のまちづくりビジョン:包摂と支援の生活圏をつくる」第4回: まちなかの熟成:空間変容のマネジメントと空間文化の維持再生
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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