シンガポールにおける道教系寺廟の宗教活動として研究に着手したが、マレーシアや台湾、中国との間に神や人びと、モノが行き交うことや、霊媒や諸宗教活動の社会のなかでの位置付けについて検討することができ、社会毎の視点を得ることができた。また国際学会や国際ワークショップにおいて発表したことで、関連するテーマや他の地域の専門家と意見交換することができ、新たな知見を得ることができた。道教系寺廟の宗教実践の多くには憑依信仰や呪術的な側面があり、その先行研究も多くみられるが、本研究によって宗教と社会とのより現実的な様相に関して検討し、宗教のもっている社会での位置づけや意義について問うた。
|