本研究は、近年、欧米の一部の国で徐々に認知されるようになってきた性的マイノリティ(LGBTIQ)の新たな子どもの作り方ないし育て方、「共同養育」(co-parenting)に注目し、現在、世界的な規模で進行している親子・家族・結婚の変動とその背景にある「性」(sex、gender、sexualityなど)のあり方の変化の実態の一端を、関連文献の批判的検討並びにアメリカ及びオランダにおける人類学的なフィールド研究を通して明らかにした。その結果、ゲイ/レズビアンカップル等が共同養育等の新たな実践を通してこれまでの家族や親子、結婚のあり方や見方・考え方を根本的に再編しつつあることが明らかとなった。
|