初年度にトルコでクーデター未遂事件が起こり治安が悪化したためトルコでの現地調査をあきらめ、これまでに得ていた民族誌資料を国内においてより精緻なデータ化に専念せざるを得ないなど、大幅な計画の見直しを迫られた。しかし、結果としてデータの精緻化によって女性に関わる重要なテーマを複数発見することにつながり、次年度にはかつて出版した女性たちのスカーフ着用についての解釈を見直し、あらたな論文を出版した。また27年前の調査を基に出版した代表者の著書『イスラームの性と俗――トルコ農村女性の民族誌』(1999年、アカデミア出版会)をトルコ語に翻訳し、最終年度に完成した。
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