平成30年度は、本科研費研究の最終年となり必要な補足調査及び研究のまとめと発表を主に行ってきた。平成30年度は、昨年度までの調査結果をまとめつつ必要な補足調査として8、9月に上海および北京、また1月に北京での5日間の調査を行った。今年度は特にこれまでの調査で出てきた疑問点や確認事項に基づき、関係者に対するインタビューを実施し、様々なデータを得ることができた。 これまでの調査結果に基づき平成30年度は国内および国外にて3回の学会報告を行った。まず7月に日本現代中国学会東海部会第11回研究集会にて「中国におけるキリスト教『中国化』-『中国化』をめぐる議論と教会の変化-」、さらに10月の日本現代中国学会第68回全国学術大会にて「習近平政権下における宗教政策とグローバル化への対応-北京国際教会の事例を中心に-」というタイトルにて報告を行った。調査を通じて今回行ってきた調査事例が極めてグローバル化による変化やネットワークの構築という側面を顕著に持つ状況であるということが明らかになったため、より国際的な報告の場が必要であると考え、2019年3月にアメリカPurdue大学のCenter on Religion and Chinese Society主催のChristianity and the Rule of Law in Chinese Societiesというテーマでのカンファレンスにて‘The Growth and Changes of International Christian Fellowships under the Religious Regulations in China’というタイトルで発表を行った。この報告の内容は、同タイトルの論文として同センター発行のReview of Religion and Chinese Societyに掲載予定である。
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