研究課題/領域番号 |
16K03253
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
坂本 忠久 東北大学, 法学研究科, 教授 (60241931)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 行政法規 / 実務役人 / 江戸 |
研究実績の概要 |
本年度は、まず本研究にとって不可欠でありながら、当該研究機関においては備えられていない史料集を購入し、その解読、分析を行った。また、それと並行し国会図書館、東京大学付属図書館、江戸東京博物館等をはじめとして各所蔵機関への精力的な史料調査を実施した。さらに、法制史学会、日本史研究会、関東近世史研究会等の学会にも参加し、最新の研究状況を把握することに努めた。 そして、収集した史料を基礎として、データーを整理した。その際留意したことは、本研究の課題の趣旨からもわかるように、可能な限り史料を網羅的に分析することであった。具体的には江戸の都市法制の基本的なシステムが確立したと考えられる近世の中期を一つの画期として、それ以降の「行政法規」の特質について一貫した方針で分析したものである。さらに、その「行政法規」の運用に際して町年寄、与力、町役人塔の各種役人がどのような役割を果たしていたのかを具体的に確認することに留意した。それは、各種の先行研究においても、都市法の「行政法規」と実務役人とを関連づけて考察したものは、ほとんど認められないからである。 以上のような、研究の観点と目的、そして方法において研究を進めた結果、近世都市・江戸における都市法、「行政法規」、実務役人の機能について、これまでの研究においてはほとんど不明であった重要なポイントを発見することができ、現在その史料紹介と学術論文の執筆に取り掛かりはじめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予想していた状況と、ほぼ同じ程度の研究の進捗状況であると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
さらに対象を広げた関係各所への丹念な史料収集を実施するとともに、具体的な学術論文の刊行を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
まとまった史料集を購入するには、残額では不足していたため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究課題のために必要な史料集を一括して購入する予定である。
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