研究課題/領域番号 |
16K03264
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
入江 秀晃 九州大学, 法学研究院, 准教授 (50600029)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 調停 / メディエーション / 紛争解決 / 紛争管理 / 人材育成 |
研究実績の概要 |
本研究は、両当事者と調停人が協働して問題解決をなすという現代調停の理念を具現化するため、紛争解決を理論的に基礎づける方向での研究と、紛争解決実践を具体的に改善できる応用指向の研究をスパイラルに深めることを企図して進められている。 理論化の方向としては、福祉理論等を援用しつつ、紛争解決手続を、当事者に対する専門家の協働的な関わりを前提とする支援であると位置づけ、構造化する方向での研究を進めている。標準化された解決水準の公平な適用による紛争解決という、現行における法実務慣行の思考方法とは距離がある発想であるだけに、具体的な改善や教育の方向性を構想できるという手ごたえをつかみつつある。刊行予定の「私論:家事調停改革の方向性」と題した論考は、児童福祉分野も視野に入れて、家庭裁判所の司法機能を強化し、家事調停手続の質を抜本的に改善する方向を構想する論考として著された。 応用指向の取り組みとしては、構造化された事例検討会に関する研究に、引き続き取り組んでいる。近年注目されているオープンダイアローグなどでも基礎的な位置づけを持つ、リフレクティング手法や、ライフストーリーレビュー、ソクラティックダイアローグなど様々な対話手法のエッセンスからどのようなことを学びうるのかを研究している。 メキシコ及び台湾での国際学会における報告を行い、また、家事分野における論考を刊行準備するなど、研究の公表を進めている。また、アウトリーチの活動として、「対話調停カフェ」を連続企画として実施した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論考等成果物の公表も進んでいるため。
|
今後の研究の推進方策 |
研究成果の公表の推進に取り組む。 また、紛争解決教育の内容に研究成果を反映させるための取り組みを加速させる。
|