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2018 年度 実施状況報告書

日本列島無文字時代の国制と法――国制史・法制史学と考古学の対話――

研究課題

研究課題/領域番号 16K03271
研究機関早稲田大学

研究代表者

水林 彪  早稲田大学, 法学学術院, 名誉教授 (70009843)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード卑弥呼 / 邪馬台国 / 狗奴国 / 公孫氏 / 魏 / ヤマト政権 / 前方後円墳
研究実績の概要

(1)2018年度は、全般的に体調不良で、何度か入退院を繰り返したために、当初予定していたようには、研究を推進することができなかった。そのため、研究期間を1年延長させていただいた。
(2)以上のような状況にあったが、体調が比較的よい期間に、わずかではあるが、研究が進展するなかで浮上したきた課題を追求するための研究を行った。その課題とは、初期ヤマト政権=前方後円墳時代の国制についてである。『魏志倭人伝』は、①3世紀は、邪馬台国を中心とする倭国と、列島のいずこかに存在する狗奴国との内乱の時代であったこと、②魏は、邪馬台国を中心とする倭国に軍事的支援を行ったこと、などを記しているが、ここにみられる〈魏ー倭国〉と〈狗奴国〉の戦争体制という視点から、列島の3世紀の国制を考える課題である。
(3)考古史料と文献史料の双方からせめていった結果、私は、邪馬台国は大和・纏向、狗奴国は丹後、に所在した国であり、倭国と狗奴国の戦争は、大和にある邪馬台国を中心とする〈北九州ー瀬戸内ー畿内〉勢力(倭国)と、〈出雲ー伯耆ー但馬ー丹後〉勢力(狗奴国連合)との戦争であったとの仮説を得るにいたった。
(4)研究の最終年度の主たる課題の一つは、この問題を深めることにあてられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初より研究の進捗が遅れているのは、ひとえに、最終年度に体調を崩し、入退院を何回か繰り返したことによる。
ただし、第1年度・第2年度は、当初の予定よりも研究が進んだので、全体としてみれば、満足すべき成果が出せていると考えている。

今後の研究の推進方策

(1)研究遂行過程において浮上してきた、「ヤマト政権(卑弥呼・台与政権)形成史にとって、邪馬台国国を中心とする倭国と、狗奴国を中心とする勢力(私は丹後を中心とする山陰勢力と解している)との戦争体制がきわめて重要な意味を有し、この対立の背後には、中国王朝(公孫氏、ついで魏)の存在が大きかった」という仮説をもとに、ヤマト政権形成史とヤマト政権体制の構造の特質を解き明かす課題を追求したい。
(2)そのためには、以上のような視点から、列島各地のヤマト政権時代史跡の見学と、中国・朝鮮の古代史跡の見学が重要となる。「百聞は一見にしかず」。

次年度使用額が生じた理由

(1)次年度用額が生じた理由は、昨年度、体調不良により、当初の予定通りに研究が進まなかったからである。
(2)使用計画。体調回復次第、古代史跡見学旅行を中心に頂戴した研究費を使用させていただく所存である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「広瀨・清家両報告に学ぶ――ヤマト政権=前方後円墳時代の国制像の革新2018

    • 著者名/発表者名
      水林彪
    • 雑誌名

      『法制史研究』67号

      巻: 67 ページ: 237-270

  • [図書] (『法と国制の比較史―西欧・東アジア・日本―』2018

    • 著者名/発表者名
      水林彪・青木人志・松園潤一朗
    • 総ページ数
      561
    • 出版者
      日本評論社

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公開日: 2019-12-27  

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