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2017 年度 実施状況報告書

ローマ法と条件付遺言

研究課題

研究課題/領域番号 16K03272
研究機関南山大学

研究代表者

田中 実  南山大学, 法学部, 教授 (60217081)

研究分担者 伊藤 司  南山大学, 法学部, 教授 (70223162)
佐々木 健  京都大学, 法学研究科, 准教授 (70437185)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードローマ法 / 相続 / 解釈 / 遺言
研究実績の概要

古代から近現代に至る「ローマ法」の長い歴史を踏まえ、相続法と遺言に関する検討を進めてきた。
研究代表者(田中)は、ローマ相続法の基本的な文献の講読を研究分担者と行い、基礎的な知識を確実なものとすると同時に、中世法学から19世紀のパンデクテン法学にいたるローマ法解釈文献、とりわけ16世紀の人文主義法学の代表的な学者の解説を読み進めた。2017年4月27日から5月4日まで、スイス連邦ヌシャテル大学法学部からの誘いに応じ、同大学で開催された学会において下記の人文主義法学に関する報告を行った。下記の論文の一部の紹介と日本法との関連について敷衍したものである。この間、南山大学において、海外の法制史学者による下記の講演会を行った。ローマの相続法に対する後代の解釈として論文を執筆した(初校ゲラ完成済)。
研究分担者(伊藤)は、研究代表者と日常的に対話を交わしつつ、下記論文を執筆した。同論文は、前稿に引き続き、ドイツにおける相続法の改正作業を第2次世界大戦の激化に伴う改正作業の停止までの検討をしている。さらにその改正作業がどのような理由により停止することになったか、単なる戦争の激化にとどまらない理由の検討をし、また、戦後にそこから何が学ばれることとなったかについての試論を示し、その検討を今後の課題として指摘している。
研究分担者(佐々木)は、国内外での研究発表に対し寄せられた各国の学者による論評を踏まえ、ローマ相続法の好例と言える事案を扱う論文を公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画に沿い、論文を公表してきた。定期的に研究会を開催し、全国規模の研究大会でも応募し報告した。
また、国際学会でも発表を行なうと共に、海外の研究者と討論し研究を深めつつある。

今後の研究の推進方策

基本的には、前年度までの研究方法を継続する。
相続立法と遺言解釈技法との関連性についても、論考を公表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)来日を予定していたドイツ人研究者が転出したため、渡航自体をとりやめた。
(使用計画)最終年度内には来日が困難なため、研究代表者と分担者が国際学会に際し渡欧して、その講演を聴講する。その知見を共有すべく、関連著作を購入し国内で研究会を開催する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] 古代ローマ占有訴訟における「慣習による駆逐moribus deductio」(Cic. pro Caecina, 27)と暴力〔不動産占有回復〕unde vi特示命令2018

    • 著者名/発表者名
      佐々木健
    • 雑誌名

      法学論叢

      巻: 182-4・5・6 ページ: 288-317

  • [雑誌論文] シャルル・デュムラン『損害論』(1546)における勅法(C. 7.47.1)解釈(1)(2・完)2017

    • 著者名/発表者名
      田中実
    • 雑誌名

      南山法学

      巻: 41-1 ページ: 183-210

  • [雑誌論文] 帝国司法省による法定相続法案の展開と挫折(2・完)2017

    • 著者名/発表者名
      伊藤司
    • 雑誌名

      南山法学

      巻: 40-3・4 ページ: 269-294

  • [学会発表] 相続法における2つの準則理解のための人文主義法学2018

    • 著者名/発表者名
      田中実
    • 学会等名
      日本ローマ法研究会第1回大会
  • [学会発表] Polia (D.21.1.38.14):馬飼育場か飼育場の馬か2018

    • 著者名/発表者名
      佐々木健
    • 学会等名
      日本ローマ法研究会第1回大会
  • [学会発表] Rencontre d'historiens du droit L'influence de Charles du Moulin, juriste humaniste, sur le regime juridique des dommages-interets dans l'ordre juridique japonais?2017

    • 著者名/発表者名
      Minoru Tanaka
    • 学会等名
      Rencontre d'historiens du droit
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 慣習による駆逐moribus deductio / deduci(Cic. Pro Caecina, 27; 32; 95)と暴力〔不動産占有回復〕unde vi特示命令2017

    • 著者名/発表者名
      佐々木健
    • 学会等名
      ローマ法研究会
  • [学会発表] moribus deductio (Cic. pro Caecina, X, 27) e l'interdictum unde vi2017

    • 著者名/発表者名
      Takeshi SASAKI
    • 学会等名
      71eme Session de la Societe international Fernand de Visscher pour l'Histoire des Droits de l'Antiquite
    • 国際学会
  • [学会・シンポジウム開催] 南山大学ヨーロッパ研究センター主催講演会2017

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公開日: 2018-12-17  

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