本研究は、選挙を中心とした代表民主政の限界が様々に指摘される主要民主主義国における状況をふまえ、議会制度、選挙のほか、政党、参加民主主義など、民主主義をめぐる制度的・非制度的回路双方にわたる様々な事象を対象として、憲法学の観点から民主主義の実質に関わる理論の構築を目指した。検討にあたっては、①選挙=代表民主政を通じた権力の形成、②権力に対する対抗、③共通の意思を形成する営みとしての政治という3 つの観点から分析を進め、代表民主政をめぐる基礎理論構築に寄与しうる様々な視座を提示するとともに、代表民主政をめぐる現状への処方箋となりうる制度改正の方向性をも探求した。
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