2018年度は前年度脱稿した論文「アンテベラム期における経済規制と裁判所の役割」を毛利ほか編『比較憲法学の現状と展望』(成文堂、2018年)において公表した。また、同論文の内容に、アンテベラム期の重要判例であるドレッド・スコット判決の分析を追加し、「アンテベラム期の司法」と題する発表を研究会にて行った。 課題1年目で、研究対象とする時代について若干の修正を行ったため、当初予定の再建期固有の論点についての検討が不十分であったことは反省すべきである。ただ、修正により、日本で比較的研究が乏しい時代を掘り下げることができ、またそれの現代アメリカ憲法解釈学への影響を検討できた点では意味があったと考えている。とりわけ最終年度に行ったドレッドスコット判決の分析を通じて、判決のanticanon性や原意主義についての理解が深まった。 2019年には、2018年度の上記研究発表に修正を加えたものを公表する予定である。
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