研究課題/領域番号 |
16K03296
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
赤坂 幸一 九州大学, 法学研究院, 准教授 (90362011)
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研究分担者 |
村西 良太 大阪大学, 高等司法研究科, 准教授 (10452806)
上田 健介 近畿大学, 法務研究科, 教授 (60341046)
木下 和朗 岡山大学, 法務研究科, 教授 (80284727)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 議会法 / 憲法史 / 憲法 |
研究実績の概要 |
2018年度においては、独仏の公法学・政治学、および日本憲法史・建築学史の知見を総合しつつ、いわゆる議場構造が持つ象徴的意味や、その憲法理論上の含意(いわゆる立法期概念の設定、議員特典の意義、代表民主制の再定位など)について、理論面からの検討を行った。その際、政治神学の領域で注目される国王二体論(政治的身体と自然的身体のディコトミー)を参照基準としつつ、君主なき共和国においてなぜ「身体」に着目した共和国の運営がなされたのか、という観点から、失われた象徴的意義の物語の再構築を試みた。それと同時に、現在の多極分散型の秩序形成システムにおいて、ネットワーク国家の概念が持つ意義についての検討を行った。これらの基礎的研究により、議会に期待される役割や、議会統制の現代的課題についても、新たな観点から意義づけることが可能となった。 以上の理論的検討に加え、本研究においては、さらに、衆議院事務局の所蔵する未公開資料を活用した本格的な実証研究を行い、いわゆる庶務課日誌の翻刻を行ったほか、各派交渉会の運用に関する実証的研究を行なった。前者については、2018年度は昭和期を重視し、政治史学・法制史学の領域の研究協力者の専門的知見をも得ながら、正確な翻刻を心がけると同時に、昭和10年以降の戦時色が濃くなりゆく時局下において、国政の中心に位置した帝国議会という「窓」から覗く、立体的な憲政史像を描くための基盤的研究を行なった。
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