研究課題/領域番号 |
16K03310
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
藤澤 宏樹 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (60310984)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 憲法 / 教育法 / 社会保障法 / 義務教育 / 学校給食 |
研究実績の概要 |
次の研究業績を公表した。 論文は次の通りである。(1)シルバー人材センターにおける「地域班」活動の現状と課題―「地域班」の世話人に対するアンケート調査から―大阪経大論集68巻1号49-58頁。本論文は、研究課題に関する予備的作業として位置づけられる。アンケート調査の必要性について検討していたため、この調査方法に詳しい研究者との共著論文の執筆に参加した。この経験を韓国での調査に生かしていきたいと考えている。 研究報告は次の通りである。(1)「就学援助制度と義務教育無償ー『新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律』執行停止の経緯を中心に東京社会保障法判例検討会(早稲田大学)2017年9月:この報告では、1952年に制定された「新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律」が1954年に執行停止されるまでの経緯を検討した。ここでは新入学児童への教科書無償給与の停止が、財政事情によって停止したことを明らかにし、そのうえで、「無償」概念には曖昧さが残されていることを示した。(2)「義務教育無償と就学援助制度」憲法・政治学研究会(同志社大学)2017年10月:この報告では、1950年代という時代背景と義務教育無償との関連を指摘しようと試みた。学校給食が貧困対策として捕らえられていたことや、「無償」という概念は、その範囲が固定されたものではなく、徐々に拡大されていくものと考えられていたことを指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
韓国研究についての公表はなかったものの、日本の義務教育無償について、「無償」概念の曖昧さ(拡大という方向性を持った曖昧さ)を、歴史的研究を基にして指摘できたことに、一定の手応えを感じたからである。
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今後の研究の推進方策 |
韓国の無償給食の状況については、現在準備中であり、これを公表していきたい。また、研究報告での成果を論文にまとめていきたいと考えている。このほか、「無償」概念の理論的検討も深めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
日本国内の調査を中心としたために、韓国研究に関する費用をあまり使わなかったから。韓国語文献収集および渡航費用等に用いたい。
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