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2018 年度 実績報告書

男女雇用機会均等法の第4ステージに向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03337
研究機関一橋大学

研究代表者

相澤 美智子  一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (50334264)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード労働法 / 雇用平等 / ジェンダー / 幸福追求 / 人間の尊厳
研究実績の概要

最終年度の成果としては、夏のアメリカ出張および富山出張を通して、雇用差別を禁止することの意義が、人間の「幸福追求」および「尊厳」の保障にあることを博物館における資料や映像を通して、また雇用差別訴訟の原告の生の声を通して確信しえたことである。「幸福追求」も「尊厳」も日本国憲法の基本理念であり、夏に得た確信によって、均等法の第4ステージのあり方を構想するという本研究の目的は、次のような答えに達し得た。すなわち、今後の均等法は、一般法(民法)・特別法(均等法)体系と決別し、憲法・労働法(均等法)体系を意識したものでなければならないということである。
本研究の成果の概要は次の通りである。(1)「均等法の理念」は、同法の憲法的根拠が憲法13条、14条、25条、27条1項にあることから、広義には「幸福追求」であり、狭義には「人間の尊厳」であることを明らかにしたこと、(2)均等法における差別禁止規定は、現行法の形式を維持するのではなく、包括的差別禁止規定にすべきであり、それを通じて採用上の性差別、妊娠・出産を理由とする差別、セクハラ、あらゆる間接差別等を禁止していくことが可能となることを提起したこと、(3)差別の被害者からの均等法違反の申立によって行政機関が知り得た情報は、裁判上の証拠となるようにすべきことや、系統的な差別については行政機関が被害者個人に代わって訴訟を提起できるようにすること等、行政と司法の連携を緊密にすることによって均等法の実効性を高めていくことを提唱したこと、(4)均等法違反の救済が民法によって与えられるという一般法・特別法体系と決別し、均等法違反に対しては、裁判官が憲法14条を念頭に置きつつ、正義と衡平の観点から、採用、昇進、バックペイなど差別の是正に適切と考える救済を命じうることを均等法に明記すべきであることを論じたこと、である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 雇用差別禁止法と法の内因性2019

    • 著者名/発表者名
      相澤美智子
    • 雑誌名

      アメリカ法

      巻: 2018-2 ページ: 17, 23

  • [雑誌論文] 人間の尊厳――労働法学からの考察2018

    • 著者名/発表者名
      相澤美智子
    • 雑誌名

      水林彪・吉田克己編『市民社会と市民法――civilの思想と制度』(日本評論社)(図書所収論文)

      巻: - ページ: 591, 623

  • [図書] 労働法[第2版]2019

    • 著者名/発表者名
      和田肇、相澤美智子、緒方桂子、山川和義
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4-535-80685-6

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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