スウェーデンの配偶者に対する遺族年金制度は男女平等かつ原則1年間の有期給付である。同国の遺族年金制度は、就労可能年齢にある者は男女ともに原則として就労による自立が可能であることを前提とする。男女の就労構造の違いや賃金格差、母子世帯の経済的困窮といった問題は存在するが、労働市場政策や年金以外の社会保障給付が担うものと整理されている。そして、同国における女性の就労率の高さの背景には、脱家族主義・普遍主義を掲げた社会サービスの発展がある。介護や保育の公的な保障が、女性を家庭責任から解放し、女性の就労の場を提供してきた。ただし、介護については、高齢化や財政悪化の影響により再家族化の傾向も指摘される。
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