| 研究課題/領域番号 |
16K03345
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| 研究機関 | 神戸大学 |
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研究代表者 |
泉水 文雄 神戸大学, 社会システムイノベーションセンター, 教授 (50179363)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 独占禁止法 / エンフォースメント / 裁量型課徴金 / 課徴金減免制度 / 確約 / 和解 |
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| 研究実績の概要 |
課徴金制度および課徴金減免制度（リニエンシー制度）について、わが国およびEU、米国について引き続き文献の収集、ヒアリングをするとともに分析を進めた。
課徴金制度および課徴金減免制度について、委員を勤めた独占禁止法研究会報告書をさらに分析し、成果を「課徴金制度のあり方について」という論文として公表した。課徴金減免制度が実効性をもって行われているのか、その課題は何かを検討した「課徴金減免制度の効果の検討」を公表し、その課題を明らかにした。
本年度は、さらに、違法行為を認定せずに問題の解消を事業者と競争当局とで約束する確約(commitment)制度の研究を進め、欧米の制度と日本の制度を比較研究する「確約手続の導入についてーEU・米国等の諸制度を比較して」を公表し、CPRC公開セミナーにおいて報告した。
独占禁止法および景品表示法のエンフォースメント多様性とその課題を研究し、日本経済法学会のシンポジウム「独占禁止法のエンフォースメント」においてパネリストとして発表し（内容は2018年度の学会年報に掲載予定）、またシンポジウム「景品表示法の実現手法の多様性－独禁法の視点も含めて」において成果を公表し、実務家、研究者と討議と意見交換を行った（後者は2018年度に公表予定）。
国際カルテルについて、国際経済法学会年報に論文を掲載し、引き続き研究を進めている。また、公正取引委員会の競争政策研究センターに設置された「人材と競争政策に関する検討会」の座長として、フリーランス、スポーツ選手、芸能人、労働者等に対する独禁法の適用について検討を行い、報告書を公表した。その検討の成果は、2018年度に公表予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
わが国の制度については、課徴金制度、課徴金減免制度の成果の研究および確約制度の課題について提案し、さらに国際カルテルにおける課徴金制度の課題について後述の研究発表として公表できた。さらに、数件の論文が公表直前にある。これらの点において、十分な進捗状況にあるといえる。
最終年度においては、比較法研究をさらにすすめ、総合的な研究成果として取りまとめたい。
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| 今後の研究の推進方策 |
日本における課題はかなり明らかになったため、それを踏まえ、ＥＵ、米国の制度の踏み込んだ検討を行う。具体的には、資料の収集、弁護士等へのヒアリングのほか、現地調査（ヒアリング、資料収集）を行う。その成果は引き続き、順次論文として公表し、研究会等で成果の報告を行っていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、予想以上に研究成果を公表することができた。そのため、研究成果の執筆および公表の準備等に時間を要した。これらの成果を踏まえて、本年度はさらにＥＵ、米国を中心に新たに課題として明らかになった問題について資料収集・現地調査を含めて研究を進めることとする。
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