研究実績の概要 |
2018年度については、カナダ、アメリカ、タイで調査をおこなった。カナダでは、拠出型被用者年金の障害手当(Canada Pension Plan-Disability Benefit, CPP)、雇用保障の傷病手当、州の労災保険制度、障害者向け公的扶助制度とそれらに付随する就労移行支援プログラム、復職支援プログラムについて調査をおこなった。また、オンタリオ州政府の政策と障害者の就労「できる」能力の評価の関係についても調査をおこなった。 アメリカでは、87%と全米でも突出して高い就労移行率を誇るワシントン州、一桁台であるテキサス州とハワイ州を調査した。ワシントン州の特徴として、障害児が中学生のときから就労移行への意識づけを家族と共におもなっていること、就労移行への積極的な取組みの歴史が長く、働くことが「できる」という意識が共有されていること、州政府のプログラムにおいてもまず就労させてみるものとなっていること、授産施設を廃止していること、などがあった。一方、テキサス州やハワイ州では、伝統的な手法によるところが大きい印象があったものの、積極的な取組みもみられた。 タイでは、授産施設のような施設がない中でどのように障害者に対する職業訓練をおこなっているのか、障害者雇用義務で企業に納付金に代わる措置を設けているのがそれがどうなっているかについて調査をおこなった。 調査結果は、2018年度においては、その一部として「台湾における障害者に対する賃金算定方式」『週刊社会保障』2970号に掲載している。
|