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2017 年度 実施状況報告書

雇用政策と労働法の適用範囲

研究課題

研究課題/領域番号 16K03352
研究機関学習院大学

研究代表者

橋本 陽子  学習院大学, 法学部, 教授 (00292805)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード労働者概念 / EU法
研究実績の概要

2017年5月にドイツで開催された日独労働法協会のシンポジウムにおいて、日本法における労働者概念の判例・労働委員会の命令について、報告を行った。報告の内容は、筆者がこれまで日本語で執筆した原稿がもとになっており、とくに新しい知見を示したものではないが、今後デジタル化が進む中で、従来の労働法のあり方が見直される必要があるのではないかというテーマで開かれたシンポジウムであり、労働法の基本的な概念である労働者概念について、日本法とドイツ法の相違について報告でき、ドイツ人参加者の意見を聞くことができたことは非常に有意義であった。
また、EU法の判例研究として、社会保障ツーリズムに関するDano事件(Case C-333/13, ECLI:EU:C:2014:2358)について、検討を行った。従来は、労働者自由移動原則(現EU運営条約45条)に基づき、またマーストリヒト条約以降は、EU市民の権利(現EU運営条約20条)として、EU市民には、移住先の最低生活給付に対する権利が認められてきたが、同事件先決裁定によって、自由移動指令2004/38号(OJ 2004 L158/77)に基づく受給権の要件に即して、非就労者に対する最低生活保障給付の受給の可否が厳格に判断されるようになった。この傾向は、続くAlimanovic事件先決裁定(Case C-67/14, ECLI:EU:C:2015:597)においても確認されている。従来は考慮される余地のあった個別の事案の事情を考慮することはなく、労働者性が肯定されなければ生活最低給付の受給権は認められないという判断は、従来の判例の方針を修正するものであるといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度予定していた「事業(所)」概念および社会保険法上の就業者(強制被保険者)概念に関する最近の連邦社会裁判所の判例について、検討は行ったものの、とくに成果として公表するまでには至らなかった。

今後の研究の推進方策

EU労働法の最近の動向について、残りの滞在期間を生かして、検討を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

ほぼ計画的に使用することができたが、多少の余裕を見たため35620円の次年度使用額が生じた。次年度の書籍代として使用したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 社会保障ツーリズムにおける社会扶助受給権の存否2017

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 1116 ページ: 119‐122

  • [学会発表] Arbeitnehmerbegriff und Arbeitsvertrag in Japan2017

    • 著者名/発表者名
      Yoko Hashimoto
    • 学会等名
      Digitalisierung der Arbeitswelt in Deutschland und Japan
  • [備考] 学習院大学研究者情報

    • URL

      https://gr-info.univ.gakushuin.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=cvclient_view_main_init&cvid=read0052807&display_type=cv&block_id=453#_453

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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