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2020 年度 実績報告書

雇用政策と労働法の適用範囲

研究課題

研究課題/領域番号 16K03352
研究機関学習院大学

研究代表者

橋本 陽子  学習院大学, 法学部, 教授 (00292805)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード労働者概念 / 労働者派遣 / EU法 / ドイツ法
研究実績の概要

最終年度である令和2年度は、これまでの労働者概念の研究をまとめる作業に従事し、『労働者の基本概念―労働者性の判断要素と判断方法―』(弘文堂、2021年)という単著を出版することができた。本書では、まず、労働者性に関する裁判例をできる限り網羅的に検討し、裁判所の解釈の特徴と問題点を明らかにした後で、ドイツ法とEU法における労働者概念に関する判例と学説を検討し、労働者性の判断をいかに行うべきかという試論を提示した。本書では、判断要素と判断方法という用語を用いて、労働者性の解釈のあり方を分析した点に特徴があり、かかる分析視角に基づいて、労働基準法上の労働者概念と労働組合法上の労働者概念の異同およびドイツ法における労働者と自営業者の中間概念である労働者類似の者の概念の是非について、検討を行った。労働者概念は、19世紀後半ないし20世紀初頭のの労働法生成時から議論されてきた問題であるが、最近では改めて、デジタル化による新しい就労についても、問題となっている。本書によって、新たな問題についても、対応し得る理論的枠組みを提示しようと試みた。
また、秋の労働法学会のワークショップにおいて、2018年の働き方改革の一環として導入された労働者派遣における同一労働同一賃金原則の施行状況について、関係者にヒアリングを行い、ドイツ法における同様の規制との比較検討を行った。かかるワークショップでの報告の成果は、「労働者派遣における同一労働同一賃金原則―とくに労使協定方式(派遣法30条の4)に関するドイツ法との比較―」(季刊労働法272号100-111頁、2021年)として公表することができた。新しい制度について、最新の実務の動向を調査し、その問題点を指摘することができた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 労働者派遣における同一労働同一賃金原則―とくに労使協定方式(派遣法30条の4)に関するドイツ法との比較―2021

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 272号 ページ: 100-111

  • [雑誌論文] 劇団員の労働者性―エアースタジオ事件・東京高判令和2・9・3LEX/DB255668342021

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1554号 ページ: 4-5

  • [雑誌論文] 労働者協同組合法-新しい法制度の概要と理論的課題2021

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1558 ページ: 72-78

  • [雑誌論文] フリーランスの契約規制―労働法、民法および経済法による保護と課題2020

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 92巻12号81157号) ページ: 68-73

  • [雑誌論文] 新型コロナショックによる雇用危機と今後の働き方の変化2020

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 雑誌名

      連合総研レポートDIO

      巻: 359号 ページ: 12-15

  • [学会発表] 労働者派遣における同一労働同一賃金原則―労使協定方式(派遣法30条の4)に関するドイツ法との比較―2020

    • 著者名/発表者名
      橋本陽子
    • 学会等名
      日本労働法学会第137回大会ワークショップ
  • [図書] 労働者の基本概念2021

    • 著者名/発表者名
      橋本 陽子
    • 総ページ数
      504
    • 出版者
      弘文堂
    • ISBN
      9784335358685

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公開日: 2021-12-27  

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