本研究は,IT技術の進展に伴い個人情報を含むデータの利活用が社会的に広く用いられる中,犯罪捜査活動により得られた情報の取扱いについて,法律にどのような規律が設けられるべきかを検討したものである。現在行われている具体的な捜査活動(GPS捜査や張り込み等による秘密裏の行動確認など),および,諸外国の状況を踏まえつつ,情報獲得手段そのものと,獲得情報利用のあり方の両側面を念頭に,それらがいずれも適正に実施され,刑事司法制度が国民の利益に資するものとして運用されるために,それらに及ぶ法的規律あるいは統制が備えるべき内容を明らかにしたものである。
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