情報技術は、警察活動の透明性に資する面もあるが、逆にその拡大や匿名化にも資する。その限界や課題にしっかり向き合う必要がある。たとえば警察官装着カメラにおいては、逐一録音・録画することは警察活動の透明性に資する一方、私人にたいする広範な監視を許容することになってしまう。そこで、発表した論稿では、その有用性と課題を明確にし、どのような制度設計をすればよいのかの手がかりを示そうと努めた。そのほか、取調べの透明化に一定程度つながるものの限界も有している録音・録画の事例分析、情報技術が警察活動の秘匿化につながるGPS捜査や盗聴についての研究など、現代日本がかかえる警察の透明性に関する諸問題を検討した。
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