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2021 年度 実施状況報告書

途切れのない児童虐待対応策の検討―特に、刑事規制強化の観点から

研究課題

研究課題/領域番号 16K03374
研究機関東海大学

研究代表者

柑本 美和  東海大学, 法学部, 教授 (30365689)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2023-03-31
キーワード児童虐待 / 性的虐待 / 加害者処遇
研究実績の概要

本年度は、性犯罪の認定において、「被害者の心理・反応・態度」がどのように扱われているかの検討を行った。
わが国では、13歳以上の者に対する強制性交等罪・準強制性交等罪、強姦罪・準強姦罪に関して、被害者特有の心理・反応・行動の十分な理解なくして、「暴行脅迫」「抗拒不能」の的確な判断を行うことは難しい。実の父親から娘への性交事件でも、「繰り返し性的虐待を受け続ける過程で、逃げることや抵抗することへの無力感を感ずるようになり抵抗する意欲や意思をなくしていった」という、継続的に虐待を受けていた被害者の心理・反応・態度が十分に理解されていなかったことが、「抗拒不能」が否定され、無罪判決が下された理由の一つでもあった 。
本年度は、こうした問題意識のもと、強制性交等罪の要件である「暴行脅迫」、準強制性交等罪の要件である「抗拒不能」の認定がどのように行われ、その認定において「被害者の心理・反応・態度」がどのような役割を果たしているのかについて、判例を分析しながら検討を行った。さらに、性犯罪に直面した被害者の心理・反応・態度などへの理解が、性犯罪の裁判に及ぼす影響を検討した。最後に、諸外国において、刑事司法の関係者に対して、性犯罪に直面した「被害者の心理・反応・態度」がどのように説明されているのかについて、様々な機関の研修資料の分析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

イギリスにおける新しい被虐待児童保護制度の運用について視察を行う予定であったが、新型コロナウイルスの影響で渡航できない状況が続いたことにより、今年度も視察を断念せざるを得なかった。

今後の研究の推進方策

可能であればイギリス視察を実施したいが、難しい場合には、児童に対する性的虐待者への処遇方策について包括的な検討を行いたいと考える。

次年度使用額が生じた理由

実施予定だったイギリス視察が、新型コロナウイルスの影響による渡航制限が解除されず、実現できなかったため。

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公開日: 2022-12-28  

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