研究課題/領域番号 |
16K03401
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松尾 健一 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (80388040)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ベンチャー企業 / ベンチャーキャピタル / 優先株 / 種類株式 |
研究実績の概要 |
今年度は、ベンチャー企業6社、ベンチャーキャピタル1社、起業予定者2人に対するインタビューを行なった。ベンチャー企業2社のファイナンス担当者からは数次にわたる資金調達の具体的内容について詳細に聞くことができた。株式の内容の設計についても、投資者側との交渉過程を含め、詳細な情報を得ることができた。また、みなし優先株式の利用状況についても有意義な話を聞くことができた。ベンチャー投資に関する定量的なデータはそれなりに入手できるようになっているが、定性的な情報を得られる機会は少ない。その点で、これらのインタビューの記録は、今後の研究にとって重要な資料となりうると期待している。 ベンチャーキャピタルの方からは、投資契約のひな型をもとに、ベンチャー企業との交渉のポイント等についてある程度具体的な話を聞くことができた。もっとも、具体的な案件については、機密にふれることも多いとの理由で多くを聞くことはできなかった。非公表を条件としていくつか興味深い話を聞くとができたが、研究成果を公表する際にそれらの情報をどのように扱うかを検討しなければならない。 起業予定者からは資金調達、種類株式に対する関心、知識について、率直な意見を聞くことができた。研究計画では起業予定者に対するインタビューは予定していなかったが、予想以上に意義のある話を聞くことができた。 アメリカでの調査に向けてインタビューを受けてくれるベンチャー投資関係者を探すため、現地の弁護士とコンタクトを取り始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内のベンチャー企業、ベンチャーキャピタル等を対象としたインタビューは順調に進んでいる。 アメリカの実務の調査については、調査に必要な時間を確保することができなったため今年度は実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
国内のベンチャー投資関係者に対するインタビューを引き続き実施する。 アメリカの状況の調査については、文献やWebを通じて入手できる情報とともに、現地のベンチャーキャピタルや弁護士等に対するインタビューを実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アメリカでの現地調査を予定し、そのための旅費を予算に計上していたが、時間が取れず調査を行うことができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度にアメリカでの現地調査を実施し、旅費を支出することが見込まれる。
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