研究課題/領域番号 |
16K03407
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
五十川 直行 九州大学, 法学研究院, 教授 (80168286)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | イギリス契約法 / ヨーロッパ民法典 / 比較民事法研究 |
研究実績の概要 |
本研究計画『イギリス契約法の展開とヨーロッパ民法典の編纂-比較民事法研究の定礎を求めて』は、近時、EU内において加速化するヨーロッパ民法典(ECC)編纂事業と関連付けて、イギリス契約法の現況を多角的に精査すること、あわせて、ECCの編纂という法制史上の画期点に臨み、コモンロー(非法典法)の基軸であるイギリス民事法(スコットランド民事法をも含む。)が変容する実相を詳細に検討することを通じて、<比較民事法研究>という研究領域を確立させる契機とすること、をその目的とする。 本年度は、その初年度として、ECC編纂事業ないしEU私法の構想等、EU私法全体に関する基礎調査研究、及び、イギリス契約法総体に関する基礎調査研究を手掛けつつ、同時に、通年の課題研究としては、<ECC編纂と現代イギリス契約法の展開-契約総論>を措定して、ことに契約総論の領域にかかる具体的な検討テーマが割り当てられた。 上記の研究実施計画に沿い、1989年以来のECC編纂に向けた内外資料等及びイギリス契約法の展開にかかる内外資料等を継続的に蒐集し、系統的に整序するという基礎研究が推進された。具体的には、Leiden大学、Oxford大学等における現地調査・現地研究者との交流活動をも含め、EU私法に関する古典的・代表的文献、さらには各種の最新論攷を探査しつつ、同時に、イギリス契約法総論にかかる数多くの論点につき、その歴史的形成から今日の法状況に至るまでの判例法・制定法・学説の展開過程を、比較法的文脈から詳細に跡付ける作業に着手した。 以上の作業等は次年度以降も鋭意継続されるが、広範な調査研究対象ゆえに、その整序作業等には想定以上の時間を要しており、本研究に直結した具体的研究成果が現時点では未だ公表段階に至っていないことは遺憾であり、次年度早期における成果の公表を期すものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題にかかる初年度の研究活動としては、ほぼ本研究実施計画どおりに推移している。 しかしながら、調査研究対象の広範さ等のゆえに、その整序作業等には想定以上の時間を要しており、本研究目的に直結した研究成果が現時点では未だ公表段階に至っていないことは遺憾であり、次年度早期における成果の公表を期すものである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降の研究活動においても、本研究実施計画に沿い、ECC編纂作業ないしEU私法、及び、イギリス民事法全般に関する概括的研究を一層発展させつつ、同時に、<ECC編纂と現代イギリス契約法の展開>にかかる通年の課題研究テーマを具体的に選定したうえで、本研究を綜合的・立体的に推進させる。
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