研究課題/領域番号 |
16K03408
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
上田 純子 愛知大学, 法務研究科, 教授 (40267894)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 発行会社 / 証券管理・決済 / カストディ(アン) / 当事者間法律関係 / 準拠法 / 株主権の帰属 / コーポレート・ガバナンス |
研究実績の概要 |
平成29年度は、当初の研究計画に沿い、株式の多層階層保有に関する国際私法上の問題点の整理と検討を行った。すでに、欧州連合では、口座管理等を行う中間保有者の従属法により準拠法が決定されるとするPRIMA(Place of the Relevant Intermediary)アプローチが採用されていたところ、それに当事者自治を織り込んだ形で国際基準としてジュネ―ヴ条約により統一化を図ろうとする試みは挫折したといってよい。したがって、この点については、ジュネーヴ条約起草時の議論を今一度洗い出すなどの作業を進め、あるいは、実質法による準拠法決定基準の補完の可能性も見据えつつ、株式の実質的保有者の利益保護により資する法枠組みを探りたいと考えている。また、次年度に向けて、より基礎理論的部分、すなわち、古典的証券の法的性質論などにも目を向けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の計画に沿って、情報・資料の分析ができているため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、複数回海外渡航することにより、現地調査を精力的に進め、不足している比較法的視点を補強する。また、その過程では、海外の立法資料にも丹念に目を通す予定である。次年度または次々年度には、海外の主力研究者を招聘して講演または研究報告をしていただくことにより、議論を深化させることを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
洋書の購入費用が、海外店頭にて購入したこと等により、見積もりより少額であったため
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