研究課題/領域番号 |
16K03413
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
椎名 規子 拓殖大学, 政経学部, 教授 (20289789)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | イタリア法 / 婚外子 / 子の平等 / 認知 / 真実発見の子の権利 / 父子関係否認 |
研究実績の概要 |
①当該年度の研究実績としては、椎名規子「イタリア親子法における子の法的地位の平等と『親責任』の実現ー2012年と2013年の新親子法についてー」拓殖大学論集(303)政治・経済・法律研究第19巻1号1頁-40頁(2016年9月)をあげることができる。当該研究は、2012年と2013年に、イタリア家族法が、子の間の差別の除去および子の権利の保障を実現した内容を研究することにある。すなわち改正前の婚外子に対する厳しい法的対応が、改正によりどのように改められたのかを分析することにある。本稿は、この2012年と2013年の改正について紹介したものである。今後、この改正に至るまでにどのような変遷があったかを研究する課題が残されているが、まず今回の改正の内容を紹介できたことは意義がある。 ②なおこの論文の発表にあたっては、当該年度開始直前の2016年3月に、椎名規子「資料イタリアの新親子法ー2012年・2013年の民法典改正ー」拓殖大学論集(301)政治・経済・法律研究 第18巻第2号135頁-171頁を発表した。これは2012年と2013年に改正されたイタリア民法典の条文について新・旧規定を紹介したものである。この改正規定を基礎に、①の論文を執筆したものである。この新・旧規定の条文紹介により、先の論文の内容が説得力を持って理解が可能となる。 ③なお、今回研究助成を受けて研究したイタリア家族法の2012年2013年の改正についての①の研究をもとに、椎名規子「DNA上血縁のない法律上の父と子の面会交流の許否」民商法雑誌第153巻第1号(2017年4月)において、わが国の最高裁平成26年7月17日判決についても、イタリア法の見地から批判を加えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2012年と2013年の最近のイタリア家族法の改正について新旧条文の翻訳を行うことができたこと、およびその改正条文を下に、改正内容を紹介・分析できたことは、研究は順調に進んでいるといえると思う。
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今後の研究の推進方策 |
イタリア家族法の最新の改正については、紹介・分析ができた。今後は、今回の改正により、子の地位の平等が実現した背景および婚外子に対してイタリア家族法が厳格な対応をしてきた歴史的経緯を研究したいと考えている。
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