研究課題/領域番号 |
16K03425
|
研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
吉垣 実 愛知大学, 法学部, 教授 (60340585)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 仮の地位を定める仮処分 / 被保全権利 / 保全の必要性 / インジャンクション / 予備的差止命令 / 仮制止命令 / エクィティ / デラウエア州衡平法裁判所 |
研究実績の概要 |
「アメリカ連邦裁判所における予備的差止命令と仮制止命令の発令手続(8) ―わが国の仮処分命令手続への示唆―」愛知大学法学部法経論集216号(2018)145頁~222頁を発表した(Interlocutory Injunctionの事件がTrialに発展しない理由や、Interlocutory Injunctionが本案代替化(never go to trial)の機能を果たす理由を結論付けるために必要となる議論を整理した。予備的差止命令と仮制止命令の目的の違いや、立証基準の違いなどにも言及した。)。 9月に、モンゴル国立大学で開催された、会社法制の検討に関するシンポジウムにおいて、「アメリカ企業訴訟における中間的差止命令手続の機能」という講演を行った(モンゴル国立大学関係の出版社から公刊される予定である。このシンポジウムには、立法担当者、裁判官、弁護士などが参加したが、研究者の立場から、アメリカ連邦裁判所およびデラウエア州衡平法裁判所の議論状況を分析・報告し、商事紛争解決のための私見を示した)。 9月に、スペイン・サラマンカ大学で行われた、国際訴訟法学会(IAPL)において、ナショナルリポータを務めた。La Prueba en el Proceso Evidence in the Processとして公刊されている書籍の145頁以下に掲載されている。 上記の研究成果を踏まえ、わが国への示唆を検討したいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題は、日本法への示唆を検討することにより、一応完了するといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
日本法への示唆を検討する段階に入っている。アメリカの判例を検討し、研究を進めるうちに、日本の仮処分の要件の捉え方について再考するべき点が少なくないことが明らかになった。わが国の通説・判例を批判的に検討したいと考えている。 当初予定した、わが国への示唆よりも広範囲にわたる研究成果を発表したい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
アメリカの判例・裁判例を検討していくうちに、新たな論点が浮上した。わが国への示唆を検討するにあたり、慎重かつ丁寧な作業が必要と考えるに至った。貴重な機会を無駄にすることなく、積極的にチャレンジしたいと考えている。
|