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2016 年度 実施状況報告書

修復的正義の観点からの<損害の可視化>を実現するための損害論の法心理学的再構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K03428
研究機関立命館大学

研究代表者

松本 克美  立命館大学, 法務研究科, 教授 (40309084)

研究期間 (年度) 2016-10-21 – 2019-03-31
キーワード損害賠償 / 消滅時効 / 損害論 / 法と心理 / 児童期性虐待 / 慰安婦問題
研究実績の概要

建築瑕疵の損害論をめぐる従来の判例動向を批判的に再検討する論稿を発表した(松本克美「不動産と製造物責任」立命館法学367号、2016年10月、870-887頁)。
本研究の目的である修復的正義の観点からの<損害の可視化>を実現するための損害論の法心理学的再構築のために、従軍慰安婦問題を素材に、時効論との関係で基礎理論的検討を行い、論文にまとめた(松本克美「従軍『慰安婦』被害に対する法的責任論 ― 修復的正義の視点から」立命館大学・コリア研究6号1-12頁、2017年3月)。
相続との関係で、先順位の相続権者が相続放棄したために、後から相続権者となった者にとって認識困難であった求償権の消滅時効をめぐる問題について、検討した論文を公表した(相続放棄者の相続財産管理義務と消滅時効」立命館法学369・370号、2017年3月、2033-2049頁)。これも損害の可視化をめぐる問題である。
2017年2月にドイツにて海外調査を実施し、児童の性虐待被害をめぐり研究者、実務家と意見交換をし、最新の知見を得た。
また韓国において2017年3月に海外調査を実施し、法心理学の研究者等と意見交換をし、最新の知見を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記研究実績の概要で示したように本研究の目的である「修復的正義の観点からの<損害の可視化>を実現する損害論の法心理学的再構築のための基礎理論の構築に向けての端緒を築くことができた。
2017年2月のベルリンでの調査、同年3月での韓国調査で、本研究テーマに関する多くの知見を得、また、各種分野の研究者、実務家と意見交換ができた。

今後の研究の推進方策

2017年度は、引き続き、ドイツ、韓国での調査を行うとともに、東日本大震災の津波被害に関わる損害論を法心理学的に検討するための実地調査、被害者へのインタビューを行う。台湾にも慰安婦博物館が開館されたので、その基本理念、展示内容について調査に行く。

次年度使用額が生じた理由

2017年2月に実施したドイツ調査、3月に実施した韓国調査の旅費、宿泊費、人件費等の精算を2017年度に行うため。

次年度使用額の使用計画

2017年2月に実施したドイツ調査、3月に実施した韓国調査の旅費、宿泊費、人件費等の精算を2017年度に行う

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 相続放棄者の相続財産管理義務と消滅時効2017

    • 著者名/発表者名
      松本克美
    • 雑誌名

      立命館法学

      巻: 370号 ページ: 2033-2049

    • DOI

      http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/16-56/027matsumoto.pdf

  • [雑誌論文] 従軍『慰安婦』被害に対する法的責任論 ―― 修復的正義の視点から2017

    • 著者名/発表者名
      松本克美
    • 雑誌名

      立命館大学・コリア研究

      巻: 8号 ページ: 1-12

  • [雑誌論文] 不動産と製造物責任2016

    • 著者名/発表者名
      松本克美
    • 雑誌名

      立命館法学

      巻: 367 ページ: 870-887

    • DOI

      http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/16-3/005matsumotokatsumi.pdf

  • [学会発表] 民事法領域での修復的司法/正義の視点の意義と課題2017

    • 著者名/発表者名
      松本克美
    • 学会等名
      立命館大学第8回修復的司法セミナー
    • 発表場所
      立命館大学朱雀キャンパス(京都府京都市)
    • 年月日
      2017-01-23

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公開日: 2018-01-16  

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