研究課題/領域番号 |
16K03430
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
吉本 健一 神戸学院大学, 法学部, 教授 (80031863)
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研究分担者 |
久保田 安彦 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (30298096)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 振替株式 / 上場株式 / 株式会社 / 証券市場 / 株主名簿 / 株主の権利行使 / 総株主通知 / 個別株主通知 |
研究実績の概要 |
わが国の上場株式はすべて「社債、株式等の振替に関する法律」(以下、「振替法」という)に基づく振替制度が適用される振替株式であり、株式の譲渡や株主の権利の管理・行使は同制度のもとで行われている。振替株式制度は、わが国の経済社会において極めて重要な制度であるにもかかわらず、従来の研究は主に判例評釈を通じた個別的問題に関する解釈にとどまっている。本研究の目的は、比較法的考察を踏まえながら、かかる振替株式制度に通底する基礎理論を解明したうえで、それを基盤にして、振替株式をめぐる多数の実務的諸問題につき、体系的・整合的かつ妥当な解決策を提示することにある。 こうした目的を達成するため、平成29年度も、平成28年度に引き続き、①振替株式制度の法的性格および基礎的理論の解明、②先進諸外国における上場株式の取引をめぐる制度・法的ルールの比較法的検討、③実務的諸問題の洗い出しに関する研究を行った。より具体的には、①については、振替株式の譲渡に伴う株主地位の移転に関し、当該株主情報の振替株式発行会社への伝達手段としての総株主通知および個別株主通知の機能および発行会社の株主名簿の意義について検討を行った。②については平成29年8月にドイツ連邦共和国に出張し、フランクフルト証券取引所およびハイデルベルク大学を訪問して資料収集を行った。③については、研究代表者および/または研究分担者が参加する研究会を計5回実施し、実務的な課題について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①本研究課題につき、研究会を開催し、研究を着実に進展させている。 ②ドイツ連邦共和国に出張し、ドイツ上場株式に関する資料収集を行った。 ③平成28年度に実施予定であったアメリカ合衆国への出張を今年度実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は本研究課題の最終年度となることから、アメリカ合衆国への出張を予定しており、比較法的検討のための資料収集を行う予定である。 その結果を踏まえて、研究成果のとりまとめ作業を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度予定していたアメリカ合衆国への出張が実施できず、その分平成29年度への繰り越しが生じていた。その関係から平成29年度も若干の繰り越しが生じたが、平成30年度はアメリカ合衆国への出張を実施する予定である。
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