研究課題
基盤研究(C)
本研究の出発点は、資源管理法のグリーン化(=河川法や森林法などに環境保全関連の規定が加わること)が、持続可能な社会の構築のために、どのような意味・意義があるのか、という問いであった。これに対して、本研究では、(1)資源管理法に定められた環境配慮の中身が司法解釈によって発展させられ得ることや(2)上記のように問うよりもむしろ、生態系サービスがさまざまな法律中にどのような形で存在しているかを問うほうが、より実態に即した分析ができること等を指摘した。
環境法
「資源管理法のグリーン化の状況はどのようなものか。そしてその意味・意義は何か」と問うても、この問い自体が分かりにくかったところ、本研究の推進を通して、考えが深まるとともに、視野を広げることができ、同じ問いを「生態系サービス(=自然の恵み)の規範化の状況を探る」というものへと置き換え、具体的に調査検討を進めることもできた。これにより、法学のみならず、生態学や経済学などとも、問いの趣旨を共有し得ることはもちろん、一般社会へもより分かりやすく今後の成果を伝えられると考えられる。